事業活動を通じて社会的価値を創出し、
全てのステークホルダーの幸せを追求してまいります。
平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
ここに当社2024年3月期上半期(2023年4月1日から2023年9月30日)における営業の概況ならびに決算の内容などにつきましてご報告申し上げます。
株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。
2023年11月
代表取締役社長 田中 洋二
日本空調グループ経営理念
お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する。
全社員が一丸となって経営理念を共有し、お客様の満足度のより一層の向上を追求しております。
これからも、建物設備のメンテナンスサービスを通じて、建築物に要求される最適な環境を実現する「環境創生企業」として社会に貢献することが、私たち日本空調グループの使命であると考えております。
2024年3月期上半期の経営成績の概況
【Q1】2024年3月期上半期の連結業績について、お聞かせください。
売上高全体としては、前年同期比10.3%増の24,130百万円となりました。(上半期において過去最高)
メンテナンスサービス売上高⇒主に病院及び研究施設、製造工場等におけるスポットメンテナンス業務受注の増加が寄与し、前年同期比5.5%増の17,021百万円となりました。(上半期において3期連続過去最高)
リニューアル工事完成工事高⇒主に病院及び研究施設、製造工場等における設備工事案件の増加や、資機材不足、機器の納期遅延等の問題が解消されたことによる案件消化の加速が寄与し、前年同期比23.8%増の7,108百万円となりました。
営業利益につきましては、ベースアップにより人件費が増加し、また、コロナ禍の行動制限解消等により販管費が増加しましたが、売上高の増加で吸収し、前年同期比66.7%増の1,123百万円、経常利益につきましては、55.6%増の1,278百万円となりました。
親会社株主に帰属する四半期純利益につきましては、前年同期比67.8%増の776百万円となりました。
【Q2】2024年3月期上半期の営業利益が前年同期比で+66.7%と大幅に増加していますが、どのような要因によるものですか。
前期(2023年3月期)は原材料価格や人件費の高騰、半導体不足による機器の納期遅延等の影響が大きく、生産性の低下が利益率の低下に繋がる結果となりました。今期は全正社員を対象とした平均6.8%の給与水準の引き上げ実施による人件費の上昇や、一部供給制約等の影響が残るものの、お客様への高付加価値サービス提供を前提とした、適正価格による受注を積み重ねたことにより、人件費上昇分を吸収して利益確保に繋げることができました。
また、コロナ禍の収束や供給制約の改善を背景として、お客様の事業環境が好転したことによる設備投資意欲の高まりから、当社の受注環境も改善したものと考えております。
今後も、お客様への高付加価値サービス提供を前提とし、お客様にご納得いただけるように丁寧なコミュニケーションを図り、物価や人件費高騰分を反映した価格での受注に繋げていきたいと考えております。
【Q3】業績の傾向として、1Qの利益が比較的少なく、4Qにかけて徐々に増えていく特徴がありますが、その理由を教えてください。
当社の売上高の約4割を占める年間契約については、ある程度毎月均等に業績への寄与が見込めますが、スポットメンテナンスやリニューアル工事については、お客様の設備投資予算の執行状況に大きく左右されます。スポットメンテナンスやリニューアル工事は、受注や完成のタイミングが年度末に集中する傾向にあり、結果として、売上・利益も4Qに集中する傾向があります。
当社は人件費が原価の3割以上を占めており、特に1Qは上記の理由から売上高に対して人件費が先行する傾向にあります。
連結業績ハイライト
■売上高
2024年3月期 第2四半期(累計)
■経常利益
2024年3月期 第2四半期(累計)
■営業利益
2024年3月期 第2四半期(累計)
■親会社株主に帰属する四半期(当期)純利益
2024年3月期 第2四半期(累計)
※2022年3月期は政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益(1,391百万円)を計上。
■種類別売上高構成(%)
2024年3月期 上半期
■受託施設別売上高構成(%)
2024年3月期 上半期
特殊な環境有する施設の売上高比率 76.3%
※特殊な環境を有する施設は「病院及び研究施設」「製造工場等」「その他の特殊な施設」を指しております。
株主還元について
■1株当たり配当金
利益還元の基本方針につきましては、現在推進中の「2019中期5ヵ年計画」にて、連結配当性向50%を維持していくこととしております。
■配当性向
2024年3月期 1株当たり配当金
中間 |
期末(予想) |
年間(予想) |
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15円00銭 |
15円00銭 |
30円00銭 |
■1株当たり当期純利益
※2022年3月期は政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益(1,391百万円)を計上。
■配当利回り
※2023年9月の配当利回りは2024年3月期の1株当たり年間配当金(予想)を使用して算出。
■株価
■株主総利回り
※'18/3=100.0とした場合
2019中期5ヵ年経営計画の進捗状況
今期(2024年3月期)は2019中期5ヵ年経営計画の最終年度です。そこで、当該計画の進捗状況について整理し振り返ります。
連結業績推移(単位:百万円)
※1:特殊な環境を有する施設は「病院及び研究施設」「製造工場等」「その他の特殊な施設」を指す。
※2:連結営業利益に占める海外営業利益比率。海外グループ各社の単純合算営業利益数値を用いて算出。
※3:当社実施の従業員満足度調査結果より算出、当社単体。
※4:当社の「技術系公的資格取得数×資格点数(当社基準)÷技術系従業員数」で算出。
※5:当社及び海外グループ会社の日本国籍以外の従業員数。
2020年3月期
- 消費税率引き上げ前の駆け込み需要が拡大
- 産業用太陽光発電システムの駆け込み需要に伴い増加した前連結会計年度末の受注残が寄与
- 学校空調関連リニューアル工事特需による受注増加
2021年3月期
- スポットメンテナンス、リニューアル工事が新型コロナウイルス感染症の影響で作業延期等の影響を受ける
- お客様の設備投資計画の規模縮小・見送り等が発生
-
(国内)客先施設への訪問制限等による新規営業への影響
(海外)外出規制等による事業活動への影響が発生
- 学校空調関連リニューアル工事特需の剥落
2022年3月期
- 連結売上高が過去最高を更新
- 病院・工場等におけるスポットメンテナンスの増加
- 資機材不足・機器納期遅延による工事案件の延伸
- 先行投資として新卒を積極採用したこと等による人件費増加・原材料・部材価格の高騰等の影響が発生
- 投資有価証券の一部売却による特別利益(1,391百万円)計上
2023年3月期
- 連結売上高が2期連続過去最高を更新
- 病院・工場等におけるスポットメンテナンスの増加
- 年度末にかけて供給制約への対応・改善等により工事案件を順調に消化
- コロナ禍の影響縮小、資機材不足、機器の納期遅延等の影響が緩和
トピックス
Topics |01| 技術研修センターの建設について
2023年9月、人材教育の効率化と質の向上、新人の早期戦力化のための技術研修センター建設に着手いたしました。当社は日本全国に拠点があり、地域毎で顧客特性や扱う機器、仕事内容も細かい部分が異なります。そこで、全国の従業員が集合し、病院・工場等の実際の現場にある設備に近いものを用いて実践的な研修をすることができる技術研修センターを建設することで、技術力の底上げと平準化を図ってまいります。また、全国の従業員が情報交換を行い、横の繋がりを深める場としても活用していきます。
さらに、新入社員が基礎的な技術力を身に付けた上で現場へ配属され、スムーズに実務に臨めるよう、新入社員向けの研修も2025年4月から実施予定です。技術力と同時に、安全意識を高める研修として、VR等を取り入れた体感型の研修も計画しております。
多くのお客様に、より一層の高品質サービスをご提供できるよう、引き続き技術力向上に取り組んでまいります。
完成予想図
所在地 |
愛知県名古屋市南区 |
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竣工予定 |
2024年9月 |
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稼働予定 |
2025年4月 |
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延床面積 |
約4,100m² |
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規模 |
地上5階建 |
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目的 |
新人の早期戦力化、従業員の技術力向上 |
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クリーンルーム等を再現した研修設備を整備予定(写真は名古屋支店研修所)
四重極飛行時間型液体クロマトグラフ質量分析計*
※液体に溶けた複数の化学物質を、分離して単一物質とし、更にそれをイオン化し、解離させたイオン化物から電気信号を得てどのような成分がどの程度含まれているかを定性・定量分析する装置。(当社では主に病院内の抗がん剤の汚染調査、環境改善等で活用)
- クリーンルーム、機械室等メンテナンス現場を再現した研修設備を整備予定
- 新入社員向け:実機を用いた空調ほか設備基礎研修等
- 既存社員向け:実機を用いた設備能力診断研修や各種資格取得に関する研修等
- 環境管理部(環境分析〔理化学・放射線〕、微生物検査、作業環境測定、研究開発等)等を移管予定
Topics |02| より安全に空間を除染する新手法の特許取得及び追加出願について
発明の名称「空間除染方法及び空間除染装置」
当社環境管理部にて、2023年6月30日にお酢(酢酸)を利用した除染技術について、追加で特許出願をしました。その技術について簡単にご紹介いたします。
元来お酢には殺菌作用があることが、食の歴史上でも良く知られており、食文化の発展とともに慣習的に利用されてきました。その作用とは、お酢によってpHを低下させることで微生物が繁殖しづらい環境をつくり、防腐や静菌・殺菌の働きをするというものです。
今回の技術は、その作用を低濃度の過酸化水素との相乗効果で大きく高めた技術で、他の除染技術と比較して、薬剤の安全性が非常に高いことが特徴です。そのメカニズムについてはまだ不明な点が多いですが、この安全な技術が業界内に認知されるよう、学会発表等に取り組んでおります。
〈免責事項〉当該ページに記載されている内容は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいて作成したものであり、経営環境の変化等の事由により、予告なしに変更する可能性があります。(2023年12月1日作成)