日本空調サービスのビジネスカジュアル座談会
地球温暖化対策と、より働きやすい環境づくりを目指し導入したビジネスカジュアル。
従業員たちはこの変化をどう受け止め、職場はどのように変わったのか、ビジネスカジュアルの推進役を担ったメンバーが語り合いました。
※2022年4月時点でのインタビュー内容です。
悩み、戸惑いながらも、徐々にビジネスカジュアルへ。
――――ビジネスカジュアル導入にあたって、その目的や苦労したことなどをお聞かせください。
草 野: 空調を扱う会社として環境問題に取り組む中で、省エネを推進しながら一人ひとりがより働きやすい環境を実現する取り組みのひとつとして、ビジネスカジュアルを導入しました。
今、様々な企業で導入が進んでおり時代の流れに合っていますし、社内の雰囲気を変えたいという思いもありました。
導入にあたっては、ドレスコードを決める際に意見をまとめるのが大変でした。完全自由化にするのか、ジーパンや短パンはOKか、色使いに制限はあるのかなど、カジュアルな服装のイメージは個人ごとに違いますからね。
――――ビジネスカジュアルを導入した直後、職場の皆さんの反応はいかがでしたか?
K・I: スーツからカジュアルにどの程度変えればいいのか、それぞれ戸惑いはあったと思います。それでも、私の部署ではスムーズに導入できました。
N・K: 必ずしもカジュアルにしなければいけないわけじゃなく自由に選択できる雰囲気があり、大阪支店においても割とスムーズに導入できました。
K・I: ビジネスカジュアル導入にあたって、各営業所にアンケートで意見を聞いてみたのですが、おしゃれをしなければいけない、金銭的に負担が増える、センスが問われるんじゃないか等々、不安に思う人も少なからずいました。
でも、ある程度の基準を守りつつ、私服に近い自由な服装であれば賛成だという意見が上がり、導入に前向きになりました。
M・N: 私の支店も同じです。スーツのほうが、朝着る服を考えなくていいという人が一定数いました。ただ、管理職の方から率先してビジネスカジュアルを取り入れていただけたのは導入を進めるうえで大きかったです。
N・K: 大阪支店でも管理職の方々が取り入れたビジネスカジュアルが指標になりました。その恰好ならいいんだ、とお手本にしましたよ。
S・K: 私は、ビジネスカジュアル推進の社内掲示ポスターの制作に携わったのですが、どんな服装例を載せれば従業員の皆様に伝わりやすいか、清潔感のある服装とはどのようなものか、季節ごとにいろいろ悩みながら例を考えました。
N・F: ポスターはとても参考になりましたよ。幹部会の中で、どのようなカジュアルスタイルなら営業に行けるか、ポスターの服装例を見ながら話し合いました。
――――導入からもうすぐ1年になりますが、ビジネスカジュアルは浸透しましたか?
K・I: まだ十分に浸透しているとは言い切れませんが、私の周りでは少しずつカジュアルな服装が増えてきました。
K・I: 出張の際、とある支店の従業員からは「お客様の現場へ常駐していると、カジュアルへなかなか切り替えられない」という意見が出ました。
N・F: 私の所属は営業部門ですが、様子を見ていますと、実際のところ完全導入は難しそうです。
M・N: 今まで、客先訪問の際はスーツスタイルが当たり前でしたので、その固定観念を持つ人は少なからずいるようですね。悩むのは、支部全体の会議とか幹部が集まる時です。やはり、フォーマルな服装の方がいいのかなと思ってしまいます。
N・K: “カジュアルで”と言われても、会議ではかしこまってしまいますよね。
草 野: 取締役会等では私もまだスーツですし、なかなか難しいですね。でも、今の30代、40代が管理職になり世代交代が進むと、自然と変わっていくと思います。少しずつ進めていければ良いので焦る必要はないですよ。
会話も増え、職場の雰囲気と仕事にプラスの効果が。
――――ビジネスカジュアル導入で、職場に変化はありましたか
N・F: いつもスーツ姿だった人がカジュアルな服装になったことで、構えずに話しやすくなりました。
東京社屋では、一部の部署でビジネスカジュアルの服装の人が多く見られるようになりました。
「ポロシャツで涼しそうでいいですね」と声を掛けたら、「スーツの時より肩が凝らなくなったよ」と、働きやすくなったことやリラックスできるようになった感じが伝わってきました。
N・K: その気持ちわかります。私も、今まで厳しいイメージだった方がビジネスカジュアルを取り入れた服装になり、雰囲気が柔らかくなった感じがして話しやすくなりました。
N・F: 仕事をしやすくする心理的な効果があると思います。
S・K: 職場の雰囲気も明るくなりましたよね。
N・K: それに、今まで交流のなかった他のチームのメンバーにも、服の話題で声が掛けやすくなりました。
K・I: 確かに、話すきっかけが増えた気がします。
M・N: 私の部署でも会話が増えましたよ。新入社員がビジネスカジュアルで出社した時、すごくセンスが良い服装でギャップに驚き、話が弾みました。
K・I: 九州でも談笑する時間が増えています。現場業務がない時はカジュアルな服装のまま事務処理をしているので、スーツから作業着に着替える必要がない分、時間にゆとりができたことも大きいでしょうね。
K・I: 私自身は、快適に過ごせる服装を選べることで作業効率が上がりました。おしゃれを楽しむ選択肢も広がって、仕事への意欲に繋がっていると思います。
管理職層からコーディネートを変えていき、ビジネスカジュアルを盛り上げる。
――――ビジネスカジュアルをさらに浸透させるために、どうすればよいと思いますか?
K・I: 当社支店の営業担当の方に会う際は、「ビジネスカジュアルを積極的に進めてください」とお話しています。
安全面を気にする必要のない場では、自由な服装を推進していけば、会社の印象も明るくなりイメージアップに繋がると思います。
個人的には、客先訪問時も基本的にはスーツで行かないようにしているんです。お客様からも、「暑い時に涼しい恰好ができていいですね」と、好印象を持っていただいています。
N・F: やはり、管理職の方が率先してカジュアルな服を着てくださると、一般社員もビジネスカジュアルを取り入れやすくなると思うので、ぜひお願いしたいです。
N・K: そうですね。ぜひ管理職層の方々から変えていっていただきたいですね。
K・I: 九州エリアの各営業所の所長には、率先してカジュアルな服装を取り入れてもらえるよう働きかけていますよ。
M・N: 本社の人がどんな服装をしているかも指標になると思います。
今日、本社に来て、カジュアルでおしゃれな服装の方が多いと感じました。社内報でぜひ紹介してほしいです。
N・K: それ、いいですね。本社や他支店のビジネスカジュアルの様子がわかると、自分も取り入れてみようと思う人が増える気がします。
S・K: そうですね。今後、本社の方々を撮影して社内報で紹介していきたいです。
草 野: 社内報に「みんなの自慢のコーディネート」コーナーを作って毎回紹介するというのはどうでしょう。
K・I: 草野取締役や他の役員・部長の皆様のイチオシコーデを掲載してほしいですね。
草 野: K・Iさんが着ているそのジャケット、私とお揃いですものね。
K・I: ご紹介いただいたお店で買ったら、偶然同じものだったんですよ。
草 野: いつどこのお店でセールがはじまるとか、そんな話もするようになりましたね。
何を着ればいいかわからないという方も多いようですが、ビジネスカジュアルを大袈裟にとらえるのではなく、例えば、「スーツのワイシャツをポロシャツに変えてみる、カラーシャツに変えてみる」だとか、「黒の革靴を明るい色にしてみる」だけでもイメージは変わるので気軽に挑戦していただきたいです。
従業員の声を受け止め、より働きやすい会社へ。
――――日本空調サービスをより働きやすい会社にするために、ビジネスカジュアルを含め、今後どのような取り組みが必要だと思いますか?
K・I: ビジネスカジュアルに関しては、支店や部署ごとで意識に温度差があるため、上述の社内報等、社内で情報発信をしてビジネスカジュアルの狙い・目的(快適性、作業効率の向上、上下関係・部署の垣根を超えたコミュニケーションの活性化等)をしっかりと浸透させていく必要があると思います。
N・F: 私はチームのメンバーに意見を聞いてみたのですが、柔軟な働き方をサポートしてほしいという声がありました。
コロナ禍の間だけではなく、今後、通常勤務で適宜リモートワークが続けられるよう、1人1台持ち出し可能なノートパソコンを支給する等できると良いですよね。
N・K: 職種によっては、リモートワークを平準化することは可能かもしれませんね。ビジネスカジュアルに限らず、個人の選択肢が広がる改定はとても良いことだと思います。
従業員に寄り添えるところは寄り添い、変化をいとわず柔軟に対応できる企業であってほしいです。
K・I: そうですね。日頃から従業員の意見をしっかりと受け止め、必要に応じて現場に反映し改善していく取り組みが必要じゃないでしょうか。より働きやすいよう、営業所の環境整備も進めていただきたいですね。
M・N: また、何かの形で若いメンバーたちが、気軽に意見交換できるような場があるといいと思います。
S・K: そうですね。私は、定期的に勤務先や年齢、職種に関係なくリモートで集まって、意見交換会が開催できたらいいと思います。いろいろな方の意見を聞いていただき、柔軟に取り入れてもらえる職場になれば良いですね。
草 野: コロナ禍で、最近は各支店へ出向き意見を聞く機会がなかなか持てませんでしたが、この座談会を通じて、皆さんの様々な声にしっかりと耳を傾ける必要があると痛感しました。
先ほど話が出ましたが、若い世代でどんどん意見を交換して、会社を盛り上げてほしいです。
皆で話し合うことで、当社がより一層働きやすい会社になるためのヒントがきっと見つかると思います。
そして、皆さんからいただいた意見を、実現に繋げていけるような会社の仕組みづくりに引き続き努めてまいります。