2024年3月期 経営成績等の概況

経営成績の概況

当連結会計年度におけるわが国経済は、持ち直しの動きに足踏みもみられますが、緩やかに回復しております。供給制約の緩和を受けて回復が続いていた自動車関連は、一部自動車メーカーの生産・出荷停止の影響から生産活動が低下しておりますが、電子部品・デバイスは、在庫調整の進展を背景に持ち直しております。個人消費は、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、対面型サービスが回復しましたが、物価高の影響などから全体として弱い動きとなっております。一方で設備投資は、高水準の企業収益を背景に底堅く推移しております。


このような経済環境の中、ビルメンテナンス業界においては、省エネや省コストに加え、病院での手術室の無菌化や院内感染の防止、製薬工場や再生医療研究所等でのバリデーションサポートといった高度な技術力に対し関心が高い一方で、施設の維持管理コストの見直し意識の高まりが強くなっている状況です。


当社グループにおいては、サービスを提供する現場でのお客様との接点を最重要視し、当社のノウハウを活かした「設備及び環境診断・評価」「ソリューション提案(省エネ・省コスト提案、環境改善提案)」を通じてお客様の潜在ニーズの掘り起こしに努め、お客様の事業活動におけるサステナビリティに寄与すべく、新規物件の獲得や既存契約の維持に取り組んでまいりました。


この結果、当連結会計年度の売上高は58,232百万円(前連結会計年度比10.1%増)、営業利益は3,630百万円(同27.5%増)、経常利益は3,863百万円(同26.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,725百万円(同40.4%増)となりました。


なお、当社グループは、建物設備のライフサイクルに合わせて、メンテナンスサービスとリニューアル工事とを一体化した事業活動を展開しており、当該事業以外の事業について重要性が乏しいことから、報告セグメントを単一としております。

 

財政状態の概況

(資産)
当連結会計年度末における流動資産は26,387百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,941百万円増加しました。これは主に完成工事未収入金が1,124百万円、契約資産が474百万円、現金及び預金が407百万円、売掛金が368百万円それぞれ増加したことなどによります。固定資産は16,562百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,446百万円増加しました。これは主に建設仮勘定が1,187百万円、投資有価証券が1,042百万円それぞれ増加したことなどによります。


この結果、総資産は42,949百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,388百万円増加(14.3%増加)しました。


(負債)
当連結会計年度末における流動負債は14,492百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,255百万円増加しました。これは主に未払費用が490百万円、未払法人税等が436百万円、流動負債のその他が430百万円、電子記録債務が395百万円それぞれ増加したことなどによります。固定負債は4,244百万円となり、前連結会計年度末に比べ626百万円増加しました。これは主に長期借入金が378百万円増加したことなどによります。


この結果、負債合計は18,737百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,881百万円増加(18.2%増加)しました。


(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は24,212百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,506百万円増加(11.5%増加)しました。

キャッシュ・フローの概況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は6,242百万円となり、前連結会計年度末より357百万円増加しました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。


(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,421百万円の資金の増加となり、前連結会計年度に比べて1,500百万円の資金の増加となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が3,858百万円と前連結会計年度に比べて885百万円増加したこと、法人税等の支払額が863百万円と前連結会計年度に比べて706百万円減少したこと、その他の流動負債の増加額が1,042百万円と前連結会計年度に比べて709百万円増加した一方で、仕入債務の増加額が379百万円と前連結会計年度に比べて789百万円減少したことなどによります。


(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,798百万円の資金の減少となり、前連結会計年度と比べて1,100百万円の資金の減少となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が1,659百万円と前連結会計年度に比べて1,106百万円増加したことなどによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、287百万円の資金の減少となり、前連結会計年度に比べて728百万円の資金の増加となりました。これは主に、長期借入れにより700百万円を調達したことなどによります。