日本空調グループのパーパスは、建物設備のメンテナンスを通じて、「お客様の事業活動のサステナビリティに寄与し、社会全体の価値向上を図ること」です。建物設備は経年劣化によってインプット(使用エネルギー)に対するアウトプット(能力)が減少します。この能力ダウンによるコストを小さくすることが、当社グループの提供価値だと考えています。


当社グループは「2024中期5ヵ年経営計画」のなかで、KPIとして、人財育成と、省エネルギー提案を通じたお客様の事業活動のサステナビリティ向上を掲げています。特に、従業員を「財産」であり「事業活動の源泉」と捉え、人財育成とエンゲージメント向上を重視した人的資本経営を推進しています。


「人財育成」については、技術力の向上を目的に「コア技術力指数※1CAGR3%以上の達成」をKPIに設定したほか、2025年4月に本格稼働した技術・研修センターを活用し、新人・ベテラン関係なく技術力の更なる向上を図っています。「エンゲージメント向上」については、「社員エンゲージメントスコア※270pt以上の維持」をKPIに設定し、2023年4月(平均6.8%増)、2024年4月(平均6.5%増)、2025年4月(平均5.7%増)と3年連続で正社員の給与水準を引き上げました。また、福利厚生の充実や働き方改革を推進し、安心して長く働ける環境づくりにも注力しています。


当社グループがお客様の事業活動のサステナビリティ向上を目指すうえで、気候変動に関わるリスクは大きいと考えており、2024年4月から各種気候変動イニシアティブへの対応を本格的に進め、TCFD提言に基づく情報開示を開始しました。また、SBTを認定する機関「SBTイニシアティブ(以下、SBTi)」にコミットメントレターを提出し、2年以内にSBT認定取得を目指すことを表明しています。


地球環境負荷の低減については、お客様の事業活動のサステナビリティを向上させるための省エネルギー提案の強化に取り組んでいます。お客様の事業活動における温室効果ガス排出量を、年間10,000t-CO2以上削減することを目指しています。


また、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現するためには、「コーポレートガバナンスの充実」が必須であると捉えています。そのため、透明・公正かつ迅速・果断な意思決定、内部統制システムの強化、コンプライアンスの遵守に取り組んでいます。


人的資本経営を核として、常に質の高い技術サービスを提供し、お客様の事業活動のサステナビリティに寄与することで、社会的価値の創造を目指します。これらの取り組みを通して、お客様、従業員、株主、地域社会、そして将来世代を含む全てのステークホルダーの幸せ向上を追求していきます。

  1. コア技術力指数…従来の技術力指数(技術系公的資格取得数×資格点数÷技術系従業員数)から、より本業の成長と相関が高いと考えられる公的資格にて再構築したKPI。
  2. 社員エンゲージメントスコア…従来の満足度(仕事内容や組織、待遇にどの程度満足しているか)に対し、エンゲージメント(組織や仕事に対し貢献意識を持ち、主体的に参加しているか)の計測を目的としたKPI。

2025年6月

日本空調サービス株式会社

代表取締役社長