このページでは、ビルメンテナンス業界の市場規模や、当社が「特殊な環境を有する施設」に注力する理由、当社の競合優位性等についてご紹介します。
当社の主な事業領域は、既存施設の設備管理です。施設の老朽化やインフラの長寿命化に伴い、メンテナンスのニーズは年々高まっています。
2024年11月に㈱矢野経済研究所が公表した調査結果によると、2023年度のビル管理市場規模(元請金額ベース)は、約4.8兆円(前年度比5.2%増)※と推計されています。
建物が存在し続ける限り、メンテナンスの仕事はなくなりません。短期的には飛躍的な成長は難しいものの、安定的かつ着実な成長が見込まれる市場です。
- ビル管理市場には、一般清掃、設備管理、保安警備業務等の受託サービスを対象として市場規模が算出されています(ビル管理事業者が請け負う修繕工事、改修工事、リニューアル工事等の周辺業務を含む)。当該事業者の異業種における売上高は含みません。
(単位:10億円) |
2018 年度 |
2019 年度 |
2020 年度 |
2021 年度 |
2022 年度 |
2023 年度 |
|
非住宅 |
3,860.5 |
4,124.8 |
4,080.1 |
4,184.5 |
4,411.5 |
4,642.2 |
|
前年度からの増減率 |
6.8% |
6.8% |
-1.1% |
2.6% |
5.4% |
5.2% |
|
事務所ビル |
875.4 |
933.2 |
919.4 |
946.0 |
994.5 |
1,050.1 |
|
前年度からの増減率 |
6.4% |
6.6% |
-1.5% |
2.9% |
5.1% |
5.6% |
|
店舗・商業施設 |
736.8 |
783.2 |
772.2 |
788.4 |
829.7 |
869.3 |
|
前年度からの増減率 |
6.5% |
6.3% |
-1.4% |
2.1% |
5.2% |
4.8% |
|
医療・福祉施設 |
390.8 |
423.6 |
424.1 |
439.4 |
467.9 |
496.0 |
|
前年度からの増減率 |
8.1% |
8.4% |
0.1% |
3.6% |
6.5% |
6.0% |
|
学校施設 |
403.6 |
424.1 |
411.9 |
413.2 |
427.4 |
441.8 |
|
前年度からの増減率 |
5.2% |
5.1% |
-2.9% |
0.3% |
3.4% |
3.4% |
|
工場・作業所 |
387.4 |
409.2 |
401.0 |
407.6 |
428.3 |
447.0 |
|
前年度からの増減率 |
6.1% |
5.6% |
-2.0% |
1.6% |
5.1% |
4.4% |
- 元請金額ベース、2024年度は予測値
- ビル管理事業者が請け負う修繕工事、改修工事、リニューアル工事等の周辺業務を含む
出典:㈱矢野経済研究所「ビル管理市場に関する調査(2019年)~(2024年)」のプレスリリースをもとに作成
当社はビルメンテナンス業界に所属していますが、その中で、設備管理の分野に特化しています。
当社が属するビルメンテナンス業界は、2023年データで市場規模は4.8兆円と推計されますが、そのうち、約6割が「一般清掃」、約2割が「保安警備他」、そして「設備管理」が約2割を占めていると推計されます。※
- 公益社団法人全国ビルメンテナンス協会(JBMA)による2020年度調査等の結果に基づく。
設備管理の中でも、私たちが注力しているのが病院や製造工場等の「特殊な環境を有する施設」です。これらの施設では、例えば「手術室や精密機器工場での一定の温湿度管理・高い清浄度維持」のような厳格な空気環境の管理が求められます。
こうした領域は、高い専門性と即応力が求められるため、他社にとって参入障壁が高く、私たちのような専門技術・ノウハウを有する企業が選ばれています。
また、病院や製造工場等の「特殊な環境を有する施設」は設備のトラブルが生命や製造ライン停止に関わるため、継続的な契約・定期的なメンテナンスが重要視され、安定した受注につながっています。
当社は売上高の7割以上が「特殊な環境を有する施設」を占めており、お客様との信頼に基づいた長期的な関係が築かれています。



特殊な環境を有する施設における長年の実績を活かし、当社は600床以上の大規模病院において、病床数ベースで約11.4%のシェアを獲得しています。
この実績は、施設の安定稼働・省エネ化・設備稼働率の最適化といった多面的な貢献によるものです。

- 受託割合は厚生労働省「医療施設動態調査」を用いて算出。

私たちは独立系メンテナンス企業として、空調施工エンジニアリングおよび空調保守・メンテナンス業界においてベンダーシェア1位(2021年度データ)を獲得。特定のメーカーに依存せず、あらゆる機器に対応できるメーカーフリーの強みを活かしています。
- ベンダーとは「販売業者」「売り手」を意味し、製品やサービスをユーザーへ販売する事業者のことです。 基本的に製品の開発や製造は自社で行わず、製造元(メーカー)と契約を結び、自社の顧客に対して販売します。

出典:㈱富士経済「HVAC機器・関連ビジネス市場の全容 2024」空調・熱源ビジネス業態別市場:メンテナンス会社 ベンダーシェア 2023年実績
売上規模では大手に及ばないものの、利益率は同水準を維持し、ROEは12%超と他社を上回っています。
安定的・効率的な経営と株主様への利益還元を両立する「中堅ながら優良な成長企業」といえます。
当社 |
A社 |
B社 |
C社 |
---|
時価総額(億円) |
386 |
2,617 |
69 |
75 |
売上高(億円) |
644 |
3,379 |
280 |
346 |
営業利益(億円) |
41 |
164 |
11 |
14 |
営業利益率(%) |
6.5 |
4.9 |
4.1 |
4.1 |
ROE(%) |
12.5 |
10.9 |
9.7 |
4.6 |
- 各社のROE・売上高・営業利益・営業利益率は2024年度実績。
- 各社の時価総額は2025年5月23日終値、2024年度末発行済株式数(自己株式を含む)を用いて算出。
高齢化が進む業界において、平均年齢が最も低く、平均年間給与は3社平均を大きく上回っている点も特長です。
高度な専門技術が要求される分野だからこそ、充実した研修体制による人財の育成と待遇の充実等、人的資本の価値向上が事業の源泉となっています。
当社 |
A社 |
B社 |
C社 |
---|
平均年間給与(万円) |
626 |
511 |
413 |
380 |
平均年齢(歳) |
40.2 |
46.2 |
50.0 |
53.0 |
- 各社の平均年間給与・平均年齢は2023年度実績。
現在、PER、PBR等の各種株価指標には割安感が残っており、当社の強みや成長性を投資家の皆様に十分に訴求できていない点を課題と認識しています。
今後、付加価値創出力の向上と、IR活動の強化を通じて企業価値の更なる向上を目指してまいります。
当社 |
A社 |
B社 |
C社 |
---|
PER(倍) |
11.87 |
22.57 |
6.90 |
6.72 |
PBR(倍) |
1.45 |
2.36 |
0.71 |
0.34 |
- 指標は2025年5月23日株価終値、2025年度予想EPS(A社は2024年度実績)、2024年度実績BPSを用いて算出。