事業活動を通じて社会的価値を創出し、

サステナブルな全てのステークホルダーの幸せ向上を追求してまいります。

 

平素は格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。

ここに当社2026年3月期上半期(2025年4月1日から2025年9月30日)における営業の概況ならびに決算の内容等につきましてご報告申し上げます。

 

株主の皆様におかれましては、今後とも一層のご理解とご支援を賜りますよう、お願い申し上げます。

 

 

2025年11月

代表取締役社長 依藤 敏明

日本空調グループ経営理念

お客様に安心感を与える最適な環境を維持するために、技術力と人的資源を結集させ、高品質サービスを提供する。

 

全社員が一丸となって経営理念を共有し、お客様の満足度のより一層の向上を追求しております。

これからも、建物設備のメンテナンスサービスを通じて、建築物に要求される最適な環境を実現する「環境創生企業」として社会に貢献することが、私たち日本空調グループの使命であると考えております。

2026年3月期上半期の経営成績の概況

売上高全体としては、競争環境の緩和や採算性の良い案件の獲得、高品質サービスの提供を前提とした適正価格での受注等が奏功し、前年同期比9.2%増の29,404百万円となりました。(上半期において3期連続過去最高)

 

メンテナンスサービス売上高⇒主に製造工場等におけるスポットメンテナンス業務受注の増加が寄与し、前年同期比3.0%増の18,923百万円となりました。(上半期において5期連続過去最高)

 

リニューアル工事完成工事高⇒主に製造工場等における設備工事案件の増加が寄与し、前年同期比22.4%増の10,480百万円となりました。(上半期において2期連続過去最高)

営業利益は、ベースアップによる人件費の増加や、主に当社の技術・研修センター及び子会社である㈱日本空調北陸の新社屋に関連する減価償却費の計上により販管費が増加したものの、それを上回る売上高の増加により、前年同期比28.9%増の2,310百万円、経常利益は同30.4%増の2,456百万円となりました。

親会社株主に帰属する中間純利益につきましては、前年同期比34.1%増の1,579百万円となりました。

連結業績ハイライト

売上高

2026年3月期 第2四半期(累計)

営業利益

2026年3月期 第2四半期(累計)

経常利益

2026年3月期 第2四半期(累計)

親会社株主に帰属する当期(中間)純利益

2026年3月期 第2四半期(累計)

種類別売上高構成(%

2026年3月期 上半期

受託施設別売上高構成(%)

2026年3月期 上半期

メンテナンスサービス売上高

64.4%

特殊な環境を有する施設の売上高比率 74.7%

※特殊な環境を有する施設は「病院及び研究施設」「製造工場等」「その他の特殊な施設」を指しております。

株主還元について

1株当たり配当金

利益還元の基本方針につきましては、現在推進中の「2024中期5ヵ年経営計画」にて、連結配当性向の目途50%程度を維持していくこととしております。

また、1株当たりの年間配当金下限を40円に設定しております。

配当性向

2026年3月期 1株当たり配当金

中間

期末(予想)

年間(予想)

23円00銭

23円00銭

46円00銭

1株当たり当期純利益

※2022年3月期は政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益(1,391百万円)を計上しております。

配当利回り

※2025年9月末の配当利回りは、2026年3月期の1株当たり年間配当金(予想)を使用して算出しております。

株価

株主総利回り

※'20/3=100.0とした場合

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Special Talk Session 人的資本経営における技術・研修センターの活用

企業価値拡大の要となる「人的資本の価値向上」の加速を目的として設立した技術・研修センター(以下、当センター)が本格稼働を開始してから、半年が経過しました。


当センターの活用と今後の展望に向けて、取締役上席執行役員人事部長 諏訪 雅人と執行役員技術部長 小川 晋二が対談を行いました。

諏訪 雅人[略歴]

1984年  4月

FM(※1)職として当社入社

2004年  4月

当社中国支店長(現 中四国支店)

2008年  4月

当社三河支店長(現 名古屋支店)

2010年  4月

当社関東支店長

2014年  4月

当社人事部長

2019年  4月

当社執行役員人事部長

2020年  7月

当社執行役員経営企画部長

2022年  4月

当社執行役員人事部長

2022年  6月

当社取締役執行役員人事部長

2022年 10月

当社取締役上席執行役員人事部長(現任)

小川 晋二[略歴]

1997年 8月

PM(※1)職として当社入社

2010年 4月

当社大阪支店サブマネージャー

2011年 4月

当社東京支店サブマネージャー

2014年 4月

当社筑波支店長

2021年 4月

当社情報システム部長

2023年 4月

当社技術部長 兼 情報システム部長

2023年 10月

当社技術部長

2024年  4月

当社執行役員技術部長(現任)

  1. 「FM」は病院等お客様の施設に当社社員が常駐し、設備の維持管理を行う事業のこと。
    「PM」は当社の営業所からお客様の施設に赴き、保守点検やメンテナンス等を行う事業のこと。

当社の人的資本経営について、教えてください。

諏訪 当社は、従業員を単なる「コスト」ではなく、企業価値の源泉である「人的資本」と捉えています。「働き方改革」を契機にその思いを一層強くし、最大の財産である従業員が心身ともに健康で、その能力を最大限に発揮できる環境づくりに注力しています。
従業員が「働きやすい」と感じる環境への積極的な投資は、エンゲージメント向上に留まらず、組織全体の活力と生産性を高め、企業価値向上に繋がるものと捉えています。

 

小川 当社は、従業員が直接現場に赴く業態になるので、各従業員が備える技術力を高めることがお客様からの信頼獲得に直結します。そのため、会社としても従業員の技術力を高められる場を提供することで、技術力の向上、ひいては従業員の自信にも繋がっていくと考えています。

大規模な投資をして当センターを設立した理由とそのメリットを教えてください。

小川 従来、東京・名古屋・大阪・九州にも研修施設はありましたが、規模は小さく、各施設に近い拠点に在籍する従業員が随時使用する形でした。
しかし、名古屋・九州は設備が古く、現場の実態に合わなくなってきたことや、各拠点の従業員から研修施設の拡充を求める声もありましたね。


諏訪 そうですね。加えて、従来の新入社員研修は、1週間という短い日程でした。そのため、実践的な教育はどうしても現場のインストラクター(※2)に一任することとなり、教える内容や質にバラツキが出てしまうことや、何より現場の負担が非常に大きくなってしまうといった課題がありました。
当センターでは長期の集合研修が実施できますので、新入社員の基礎スキルを一定のレベルまで引き上げた上で、現場に送り出すことができるようになりました。これにより、教育の均質化と現場の負担軽減に大きく貢献できると考えています。
また、新入社員だけでなく、中堅層・ベテラン層も随時研修を実施しています。全国に散らばる各拠点の従業員が一堂に会せるようになり、
技術の平準化が可能になっていくことも一つの大きなメリットだと考えています。


小川 当社は全国に拠点があるので、日常的に他支店との繋がりを作ることが難しいですが、当センターでの研修は横の繋がりを深め、経験値が異なる従業員同士の情報交換の場としても使えますね。

 

  1. 当社では「インストラクター制度」を設けており、技術職においては入社後3年間、先輩社員が新入社員にマンツーマンで指導を実施している。

「新入社員の育成」という点に焦点を当てると、当センターを設立したことでどのような効果が得られるのでしょうか。

諏訪 当センターの設立に当たり、新入社員については「3年後に一人前の技術者に育てる」という目標を掲げています。当センターでの1ヶ月間の集合研修にて実機研修を充実させることで、基礎的な技術力を身に付けていくことができます。

 

小川 3年後に一人前になるというプランを達成するために、入社後すぐの集合研修以外にも当センターでの定期的な研修の実施を計画しています。
また、インストラクターが現場で指導するOJT教育も継続して実施しています。インストラクターには「スキルチェック」をお願いしており、新入社員が入社してから3年間、職種毎に定められた一律の目標をクリアできているか細かくチェックしています。

所 在 地

愛知県名古屋市南区

竣   工

2024年11月

稼働開始

2025年4月

延床面積

約4,100㎡

規   模

地上5階

目   的

企業価値拡大の要となる「人的資本の価値向上」の加速

当センターの特徴はどのようなところにあるのでしょうか。

諏訪 クリーンルーム・機械室等の実際の現場環境を再現しているところにあります。例えば、メンテナンス作業においては天井裏で作業を行うようなケースも多いので、1階の天井をあえて高くし、天井裏での作業を学べるようになっています。また、将来的にはドローンを用いた研修を想定していることも天井を高くした理由の一つです。

 

小川 クリーンルーム設備は2階に設けており、その部屋の大きさは90㎡あります。これは、研修施設の規模としてはかなり大きな方だと認識しています。空調設備以外にも給排水衛生設備や消防設備等を学ぶことができるエリアを設けています。

 

諏訪 見学や研修に来る従業員からも「想像以上に広々とした研修施設で驚いた」という声を耳にしています。

当センターで研修を実施するにあたり、今後の課題がありましたら教えてください。

諏訪 人事面について、現状、大きな「課題」があるという認識はありません。寧ろ、当センターができたことで、採用活動や入社後の社員の定着において非常に良い効果が出ていると感じています。
当社の仕事は、言葉で説明するだけではイメージが湧きづらく、現場での実践を通じることにより初めて理解できる部分があります。その点、当センターは実際の現場環境を再現しているため、実態に合った研修を受講でき、入社前に抱きがちな「不安」や「ギャップ」といったネガティブな要素を入社後の早い段階で払拭できます。また、最近は文系出身の新入社員も増加傾向にあり、空調設備等について予備知識がない社員にも安心して学んでいただくことができます。
更に、新入社員の約1ヶ月間の集合研修は、同期同士の絆が生まれ、離職防止にも繋がっていると考えています。今後の課題をあえて挙げるとすれば、この良い流れを「いかに継続・発展させていくか」という前向きなものだと捉えています。

 

小川 本年4月に、初めて1ヶ月間という長期の新入社員研修を実施しました。これは、研修を運営する側の我々にとっても初めての経験でした。そのため、運営体制に課題があったと感じています。
例えば、講師同士の連携が不足し、研修内容が一部重複してしまうといったケースがありました。新入社員の皆さんの学ぶ意欲は高かったのですが、我々運営側の体制が未成熟だったこともあり、研修期間内でスムーズに技術を習得できる環境を十分に提供できなかったと考えています。来期はこの反省を踏まえ、講師側の体制をしっかりと整え、この課題を解消していきたいです。

当センターは、今後研修以外でも使用していくのでしょうか。

小川 現状は技術部が主催する研修がメインになっています。しかし今後は、当センターに在籍している品質管理部等とも連携し、当社全体における技術や作業面の情報を集約して展開していくことができたらと考えています。

 

諏訪 支店毎でバラバラに持っている技術等を集約してノウハウ化するというイメージでしょうか。確かに、当社全体の情報が集約されているデータベース等があれば、新しい手法だけでなく過去の情報も把握することができ、技術伝承というところにも繋げていけるかもしれませんね。

当センターの今後の「理想的なあり方」がありましたら教えてください。

小川 私の理想としては、新入社員研修の受講者が3 ~5 年後に新入社員研修の講師として戻ってきてくれることです。その間にどのような経験を積んだかを聞かせてもらえるようになれば嬉しいですし、成長を実感できると考えています。

 

諏訪 受講者が講師としてのバトンを受け取り、繋いでいくということですね。講師側も教えることでステップアップできる部分があり、講師・受講者が共に切磋琢磨して成長していけることを目指したいです。
また、インターンシップ等にも活用することで、当社の仕事に少しでも興味を持ってくれる学生さんを増やしていきたいと考えています。

 

小川 先日もインターンシップに来ていただきましたよね。学生さんだけでなく、将来的には地域に開けた場としても使用できたらと考えています。

 

※本記事の内容は、対談実施時点(2025年10月)のものです。

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技術・研修センター 施設概要

センター内の一部施設をご紹介いたします。

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空調設備エリア

パッケージエアコン、セントラル空調等幅広い実機を用いて空調設備の仕組みや保守・維持管理についての研修を行っています。

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消防設備エリア

現場では体験することが難しい実際の警報や表示を再現することで、適切な対応方法を学習します。また、異なった感知器や発信機、排煙口を用意することで、仕組みや動作方法に関する知識を深めます。

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クリーンルーム設備エリア

クリーンエリアに対応する専門知識や技術を習得するため、研修センター内に仕様の異なる3部屋のクリーンルームを設置しています。各測定方法、メンテナンス技術を習得できます。

技術・研修センターでの主な研修内容

研修名

概要

受講対象者

新入社員研修
- フォローアップ編 -

冷凍空調設備に関する基礎技術

新入社員

実機研修
- 基礎編 -

設備全般に関する基礎

実務経験1年未満

エアコン実機研修

エアコンの冷媒回収・充填及び
運転診断等の基本技術

実務経験1~3年目

電気設備基礎研修

電気設備に関する

基礎知識

実務経験1~3年目

医療系クリーンルーム
測定基礎研修

医療系クリーンルームに関する
基礎知識

実務経験3年以上

※ 上記以外にも通年で様々な研修を実施しています。

新任取締役・新任監査役ご挨拶

取締役(社外取締役) 西原 浩文

 私は長年公認会計士として監査法人に勤務した後、独立して公認会計士税理士事務所を開設し、企業の健全な経営と内部統制の支援を続けつつ、他社で社外取締役監査等委員や監事を務め、客観的立場からガバナンス強化に携わってまいりました。これらの過程で病院等数多くの施設の空調設備や建物管理の現場を目にし、当社の主力事業が社会インフラとして重要な一端を担っていることを感じていました。
 当社の社外取締役を務め5ヶ月ほどですが、取締役会や会合に出席し当社役員や従業員のフランクで誠実な姿勢に共感しているところです。
 今後もこれまでの経験を活かし、社外取締役として第三者の視点から建設的かつ実効性のある提言ができるよう努め、当社の経営の透明性を高めるとともに、お客様や当社のサステナビリティと企業価値向上に貢献したいと考えております。株主の皆様には、引き続きご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

取締役(社外取締役) 柘植 里恵

 私はこれまで公認会計士・税理士として様々な企業の監査・会計・税務等の仕事に従事してまいりました。また、愛知県・名古屋市等の各種委員会等の外部委員をはじめ、10年ほど前からは複数の上場企業の社外取締役にも従事させていただいております。
 日本においてもコーポレートガバナンス・コードが制定され、従来のような守りのガバナンスだけでなく、いわゆる攻めのガバナンスと言われる「企業価値の向上」が重要視されるようになり、我々社外取締役の役割もますます重要視されるようになったと認識しております。
 当社の持続的な企業価値の向上に資するため、これまでの自分の様々な経験を活かし、社内の常識にとらわれない中長期的な視点から発言・行動することを心がけ、当社の成長に貢献していきたいと考えております。

監査役(社外監査役) 中根 志保

 この度、社外監査役を拝命いたしました中根志保と申します。当社が提供する各事業は、人々の快適で安心な社会生活を支えるいわばインフラとしての重要な役割を担い、持続可能な社会の実現のため、高い信頼と責任を求められていると感じます。
 私はこれまで弁護士として、社会の隅々に法の支配や社会正義を行き届かせるべく、企業及び医療機関における紛争解決や予防法務に携わってまいりました。その歩みを活かし、社外の独立した立場から公正な視点で経営の健全性及び透明性の確保に努めてまいりたく存じます。
 公正で風通しのよい経営の実現こそが企業価値の持続的成長に繋がるとの思いのもと、株主の皆様を始めとする当社に関わる全ての方々、そして社会の信頼に応えられるよう、心を尽くして努力する所存でございます。今後ともご支援とご指導を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

TOPIC 株主優待制度の導入について

当社は、本業の持続的な成長による利益拡大を前提とした、株主の皆様に対する利益還元を重視しております。このたび、株主の皆様の日頃からのご支援に深く感謝するとともに、当社株式の投資対象としての魅力を高めることを目的として、株主優待制度を導入いたしました。

1.対象となる株主様

毎年9月末時点(基準日)の株主名簿に記載または記録された株主様のうち、当社株式1単元(100株)以上を保有されている株主様(初回の基準日:2025年9月30日

2.優待の内容

次のとおり、対象となる株主様にQUOカードを贈呈

当社株式の保有数

優待の内容

1単元(100株)以上

QUOカード 1,000円分

毎年9月末日を基準日として、権利確定日から3ヶ月以内を目途に発送いたします。

会社情報・株式情報

〈免責事項〉当該ページに記載されている内容は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいて作成したものであり、経営環境の変化等の事由により、予告なしに変更する可能性があります。(2025年11月28日作成)

  • 第63期上半期報告書のPDF版はこちらからご覧いただけます。
  • 過年度の株主向け報告書はこちらからご覧いただけます。